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2012年01月26日

はなのすきなうし

はなのすきなうし.jpg





「はなのすきなうし」
おはなし マンロー・リーフ
え     ロバート・ローソン
やく    光吉夏弥





表紙と見返しのバックの他は白黒だけのペン画の絵や文の内容も時代遅れと言われそうなとても地味な本。
そして万人受けする絵本でないことも知っています。それでもこの本がきっかけで救われる親子がいるかも知れない等と考えながらこの頃はなかなか手にとってもらえそうもないこの絵本を紹介してみようと思いました。
スペインの牧場で暮らす花の好きなふぇるじなんどの物語です。
他の牛たちは闘牛場で華々しく戦うことが一番の望みでしたがふぇるじなんどだけは花の匂いをかいでいる方が好きでした。ところが蜂にお尻を刺され大暴れの場面を闘牛を捜しにやってきた牛飼い達に目撃されてしまいました。勇ましい牛と勘違いされ闘牛場に連れて行かれる羽目に。
でもやっぱりふぇるじなんどはただ座って花の匂いをかいでいました。そして元の牧場に連れ戻され幸せに暮らしました。
「あなたはあなたらしくそのままでいいんだよ」とその子らしさを認めて見守る「よくもののわかった」(−うしとはいうものの、よく ものの わかったおかあさんでしたので、ふぇるじなんどの すきなように しておいて やりました。本文より)お母さんが増えるといいですね。
絵も説得力があります。牛たちのの表情などとくとご覧ください。
それにしてもコルクの木の枝にぶら下がっているコルクの絵は???です。時代背景にスペイン内戦があります。


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2012年01月05日

ふくろのなかにはなにがある?

ふくろのなかにはなにがある?.jpg




   「ふくろの なかには なにがある?」
    ポール・ガルドン 再話・絵
    こだま ともこ 訳
    ほるぷ出版





表紙の絵は何かたくらんでいそうなキツネが袋を背負った絵、裏表紙にはキツネの大きなふさふさしっぽ、横長の絵本両面いっぱいのキツネがこちらを見ています。表紙の絵とタイトルの「ふくろの なかには なにがある?」に惹きつけられ、思わず手にとってみたくなる絵本です。

キツネがハチをつかまえて袋に入れ、それをかついである家に行き、「ふくろのなかを ぜったい のぞくなよ!」と言って袋をあずけて出掛けていきます。「そんなこと するもんですか」といったおばさんですが、キツネの姿が見えなくなったとたんに袋をあけてしまいます。そして・・・。 家々を回って歩くうちにキツネの袋の中身はだんだんと大きいものになっていきます。(この辺はちょっとだけ「わらしべ長者」に似ているかも)。そして、ついには袋の中身は男の子になってしまいます。男の子はどうなってしまうのか・・・。でもご安心、最後はステキな終わり方です。

おばさんたちは、キツネに「ふくろのなかを ぜったい のぞくなよ!」と言われると、「そんなこと するもんですか」などと否定するのですが、のぞくな!と言われたらのぞきたくなるのが人の常ってことで、のぞいてしまいます。キツネもそれがわかって言っているんですよね。
表情豊かな登場人物たち、細部まで細かく描かれている背景など、ポール・ガルドンの絵本はストーリーも楽しいのですが、じっくりと絵に見いってしまいます。
こんな絵本も時には読んであげると楽しいと思います。

浜松市立舞阪図書館 山本浩美さん

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2011年12月29日

十二支のはじまり

十二支のはじまり



    「十二支のはじまり」
     (てのひらむかしばなし)
      長谷川摂子 文
      山口マオ 絵
      岩波書店




岩波書店のてのひらむかしばなしシリーズはまさに手のひらサイズ。
親子で楽しむのにちょうどいい大きさです。
この本は年越し時期に読みたい、十二支にまつわるお話です。

昔、動物がこしらえられたばかりの頃、神様は動物たちにおふれを出しました。

「一がつ ついたちの あさ、
わたしの やしきのまえに あつまれ。
はやく きたものから じゅんばんに
いちねんずつ としを やる」

というのです。

さあ、動物たちはどんな風に神様のもとに集まったのでしょう。
足の遅い牛が2番目だったり走るのが速い馬が7番目だったり、犬猿の仲といわれる猿と犬の順番についても楽しいエピソードが書かれています。
それぞれの動物の台詞がなぜか方言まじりなのもほのぼのとさせます。

そして、どうしてイヌ年はあるのにネコ年はないのか。
その理由もちゃんと書いてありますよ。

ちなみに、この本の絵を描いた山口マオさんは『わにわにのおふろ』などわにわにシリーズの作者です。
また、文を書いた長谷川摂子さんは『めっきらもっきらどおんどん』をはじめとする数々の絵本を世に送り出してきましたが今年10月にお亡くなりになりました。


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2011年11月21日

おかえし

おかえし


 「おかえし」
  村山桂子作
  福音館






ある日、たぬきの家の隣へきつねが引っ越して来ました。
きつねの奥さんが引っ越しのあいさつに来ました。
「こんど、隣に越してきたきつねです。」
きつねの奥さんはかごいっぱいのいちごをさし出しました。
「これは、これは、ごていねいに…」
たぬきの奥さんはよろこんでかごを受けとりました。
「それじゃ わたしも なにかおかえしをしなくちゃ」
たぬきの奥さんは、かごにたけのこを入れて、きつねの家にいきました。

娘が幼稚園の頃 お友達からお手紙をもらって帰ってきた。
初めてのお手紙に早速お返事を書いていた。(といっても、くるくると丸がいっぱい)
次に折り紙をもらって帰ってきた。娘は、2つに折った折り紙をおかえしした。
今度は、どんぐりをもらって来た。これもどんぐりを拾っておかえしした。
数日後、カラスの羽がかばんから出てきた。これには、ちょっとびっくり。
そろそろ「困ったな」と思っていると、娘は「何をおかえしすればいいの?」と聞いてきた。その時読んだのがこの絵本です。
次の日、何も持たず「ありがとう」の言葉をおかえししました。
たぬきさんやきつねさんの家のようになったら、「さぁ大変」と、絵本の中から自分で答えを見つけ出したんだろうと思います。

今、勤務先で子どもたちから、手紙をもらうことがあります。
おかえしは似顔絵を描いています。
お母さんから「とても、よろこんでいました」の声を頂き、うれしく思います。



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2011年11月07日

からすのパンやさん

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「からすのパンやさん」 
加古里子/絵と文
偕成社








いずみがもりにあるからすのパンやさんのおうちに、四羽の赤ちゃんが生まれました。四羽が元気にどんどん大きくなると、泣いたり騒いだりいたずらしたり。そんなこんなで、子育てに忙しくなったパンやのおとうさんとおかあさんが焼く、売れないこげたパンや半焼きパンがからすのこどもたちの間で評判になると、パンやさんのお店はうえをしたへの大騒ぎ!

こどもたちに大人気のこの絵本には、たくさんのからすが登場しますが、大騒ぎをしている一羽一羽のからすたちをよく見ると、みんな服装や表情が違っていて、細かなところで大人もたっぷり楽しめます。私が気になっているのは、「レストラン・ヌレバ」のおかみさん。皆さんも探してみてください。

浜松市立東図書館 大石陽子さん

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2011年10月31日

おつむてんてん

おつむてんてん


  「おつむてんてん」
   ふくちのぶお作
   福音館書店(こどものとも012)







「ねこにあったら・・・おつむてんてん こんにちは!」

「おつむ てんてん」「おくち ちゅうちゅう」 ネコ、クマ、おさる、カエルなど、いろいろな動物が登場するたび「こんにちは!」という前に楽しい しぐさをする絵本です。
4歳の息子(ダウン症のため、発達がゆっくり)が何回読んでも飽きずに、動物たちの真似をして遊ぶお気に入りの一冊です!

顔のいろいろな筋肉を動かす遊びがいっぱい詰まっているので、発達に心配があるお子さんも楽しんでお顔の運動ができますよ!

お話会で小さい子に読むと、一緒に参加しているママたちも真似して言ってくれるんです!お子さんと遊ぶのが苦手なパパ・ママも、この本を開いて一緒に読んだら、楽しい時間を過ごせます♪
福音館の「こどものとも012」シリーズは、紙質がかたくて、破ったり食べちゃったりできないので、ママも安心してお子さんに与えることが出来るのも、嬉しいですね!
絵本の楽しさとの出会いを応援してくれているように感じます。
子育てに、絵本をぜひ活用してくださいね!



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自己紹介 大村由実さん

はじめまして。えほん文庫の大村由実と申します。
2007年より、浜松市北区三方原で自宅の一部を開放して、絵本の貸し出しや、おはなし会、様々な子連れOK講座、音楽コンサートなどを開催しています。
この度、ご縁があって、「ぴっぴのおすすめ図書ブログ」に絵本のご紹介をさせていただくことになりました。4歳の息子(ダウン症のため、発達がゆっくり)が気に入っている絵本や、えほん文庫で人気の高い本、またお話会で読んでお子さんたちの反応の良い絵本などをご紹介させていただきます!
絵本が好きな方も、そうでない方も、絵本の魅力について知っていただけたら嬉しいです。どうぞ末長くよろしくお願いいたします。

<プロフィール>
浜松市生まれ、浜松市在住の主婦。西遠女子学園を卒業後、銀行に7年間勤務。
退職後、朗読の勉強のため上京して、俳優/故・渥美國泰氏主宰の俳優養成塾<アクト青山ドラマティックスクール>にて演劇を基礎から学ぶ。
1年後に卒業。静岡市を中心に活動する”一人芝居・朗読グループ”<朗演エトピりカ>に参加。10年間在籍。
結婚、出産、子育てをする中で、自宅新築を機に自宅の一部を開放して、2007年11月に”絵本を中心とした地域の交流の場”を目指して『えほん文庫』をオープン。無料で絵本(蔵書1100冊)の貸出やお話会、ピアノコンサート、アカペラコンサートなどの音楽会・イベントを企画、開催。
2007年8月生まれの、第3子のごうちゃんがダウン症という障害を持ってい るため、障害の有無にかかわらず、利用を望む。
今後は私自身の絵本やわらべ歌の勉強の為、出前お話会を積極的に行っていきたい。
また、語り手としての活動もマイペースで再開中。
「えほん文庫ブログ」http://ehonbunko.hamazo.tv/にて様々な情報を発信していますので、どうぞご覧ください。

<活動について>
・ この本だいすきの会会員。
・ 浜松市立 北図書館「絵本とわらべうた」読み手。
・ たっくん(聖隷クリストファー大学内 子育て広場)ママスタッフ    
・ 小学校・中学校の読み聞かせボランティア。
・ ダウン症親の会浜松支部会員。毎月第二火曜日10時から12時に鴨江の保健所内にて開催。
・ 児童ディサービス「たいよう」にて土曜日支援員。
・ 児童ディサービス「ほしのこ」にて月1回おはなし会開催。
・ 語り手としては、ジャズカルテットとの共演など、マイペースでぼちぼち再開中。
・ 東日本大震災チャリティーコンサート
 「絆〜つなげよう未来の日本の子ども達へ〜」実行委員長。
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2011年10月20日

おつきさんどうしたの

おつきさんどうしたの.jpg




「おつきさんどうしたの」
E.M.プレストン文
B.クーニー絵
岸田衿子訳
岩波の子どもの本





子どもの視点や感覚を忘れないで持っている作者の文を詩人の訳者がリズムが良く読んでいて楽しい訳をした安心感のある行きて帰りし物語。
画家クーニーのクラシカルで雰囲気のある絵がお話の世界へやさしく誘ってくれます。

表紙にはレースのカーテンの向こうのまんまるなお月さまを見上げている一匹のがちょうのちびさん。満月の夜の不思議な力のせいでしょうか、「いいこでおやすみ」のお母さんの言いつけをきかずに、ベッドからとび出し池の方へ。お月さんにしのびより飲み込む狐の形をした雲。(これはちびさんが本物の狐に襲われる予兆だったのでしょうね。)お月さんを助けようと農場のおじさんを起こすのですけれど・・・・。お月さんは無事、のくり返し。

ちびさんが狐に捕まって助けを求めてもいつものことと起きてはくれません。そしてちびさんは自分の知恵で危機から脱出し無事に帰ってきます。
最後から二ページ目。水墨画のような外の世界と対照的に暖色で描かれた室内の何と暖かく感じられること!かあさんにお尻をぴしゃんと叩かれているちびさん。
壁に掛けられた額には「LIVE AND LEARN」の文字が見えます。「これからはいいこにおなり」に「うん、わかったよ」と兄弟たちとすやすやの裏表紙。
でも、この好奇心旺盛なちびさんは又、冒険に出かけ何か仕出かしそうな気がするのは私だけでしょうか。

この絵本の中のちびさんのせりふ「いいこはいいこ、わるいこはわるいこ」が口をついて出てくることが時々あります。
小さくて埋もれてしまいそうな絵本ですが、文訳絵と三拍子そろったすてきな絵本です。月のきれいな秋の夜、ぜひ親子で楽しんでください。


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2011年09月11日

ターちゃんとペリカン

ターちゃんとペリカン_R.jpg


  「ターちゃんとペリカン」
   ドン・フリーマン 作
   さいおんじ さちこ 訳
   ほるぷ出版






ターちゃんは家族で海辺へキャンプにやってきました。
そこで、去年も出会ったペリカンと再会します。
楽しく過ごしているうちに、新しい長靴が波にさらわれてしまいます。
気落ちするターちゃんですが、長靴は無事に戻ってくるのでしょうか?

海辺でのキャンプの様子や、ペリカンとの静かな交流が
フリーマンの温かい色彩で描かれています。
空の色がなんとなく夏の終わりの夕暮れに見えるのは
私の個人的な思い込みかもしれませんが…

夏休みを静かに振り返るときに、親子で開いてみたい絵本です。


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2011年09月06日

かしこいビル

かしこいビル


  「かしこいビル」
   ウィリアム・ニコルソン 作
   松岡享子・吉田新一 訳
   ペンギン社



今回は、私が大人になってから出会った絵本を紹介します。
この絵本を読んで、絵と物語が響きあうと、こうもいきいきとお話がすすむのか!と実感しました。
「物語の流れを絵がとてもよく伝えている」「絵をたんねんに読むと、いっそうたのしさが増す」という巻末の解説どおりの作品です。

ある日、メリーはおばさんの家に招待されます。
はりきって旅の支度をはじめるメリー。

あしげのアップル(木馬のおもちゃです)、けがわのついたてぶくろ、スーザン(布人形です)、ふえ、くつ、ティーポット、ブラシ、おさいふ・・・

そして、おいていくわけにはいかないという「かしこいビル」(兵隊人形です)!

こんなたくさんの荷物ですから(旅の友ですね!)、トランクにうまく入らない。
悪戦苦闘の末、えい、やーでメリーは出かけます。

ところが!!(というかやっぱり)

おいていくわけにはいかないといっていた、あの「かしこいビル」をメリーは忘れてしまいます。

落胆に崩れ落ちるビル、涙々のビル!
しかし、決然と立ち上がり追いかけていきます。
野を越え、山を越え、なんとドーバー駅でメリーたちに追いつくのです!!

ビルが、メリーと仲間たちから祝福を受ける場面でおはなしは終わります。
その場面の幸せに満ちた雰囲気にどこからか拍手喝采が聞こえてくるようです。

稲田茂さんの手書き文字もとてもいい動きをあたえていて、絵、物語、文字、訳文とこれらががっぷり4つで組み合った作品にも拍手喝采を送りたいです。

浜松市立佐久間図書館 長谷川陽子さん

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