「子うさぎましろのお話」ささきたづ文 みよしせきや絵 ポプラ社
「こうさぎのクリスマス」松野正子作 荻太郎絵 福音館書店
「サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン作 せたていじ訳 評論社
今振り返ってみると、子育て中ってなんて子どもからたくさんのたのしみを分けてもらっていたんだろうと思います。遊具もろくにない公園でも子どもと一緒だといろいろな発見があるし、ディズニーランドだって子どもと一緒がたのしい、でも、一番楽しかったのはやはりクリスマスですね。
今年のサンタさんからのプレゼントは何かしら?親は何をプレゼントしようかしら?クリスマスケーキは手作りにしようか、それとも今年は忙しいからスポンジ台を買って、せめてデコレーションだけは子どもと一緒にやろうか・・・考えるのも楽しみでした。クリスマスにちなんだ絵本は12月に入ると読み始めて、お正月が過ぎても長いこと繰り返し読みました。
クリスマスの絵本といえば、まずこの「子うさぎましろのお話」です。
プレゼントをもらったのに、もっとほしがる“ましろ”は、たいていの子どもたちの気持ちを代弁しています。からだにすみをこすりつけて黒くして別のうさぎになりすまし、サンタさんのサンドイッチをもらった“ましろ”。ところが、黒いのを消してからおうちへ帰ろうとしたところ、どんなにこすってもはらってもすみが落ちません。
「どうしよう。とれなくなっちゃった。ぼく、ほんとに“ましろ”じゃなくてべつのうさぎになっちゃったのかしら」ましろはなみだをぽたぽたおとして泣きます。
このおはなしを聞いているときの子どもたちのしんとした雰囲気が好きで、私は家でも図書館のおはなし会でも12月にはよくこれを読みました。うそをついたことにおそれおののく“ましろ”、うそをついた自分をゆるしてもらえたと感じたときの安堵感を、“ましろ”といっしょに体験してほしいと願いながら。
「こうさぎのクリスマス」は、我が家の子どもたちが大好きだった絵本です。母親である私は、うさぎのきょうだいがお互いを思いやる気持ちがとても素敵で気に入っているのですが、子どもたちにとっては、両親がクリスマスの朝に帰ってくるのが何よりうれしかったみたいです。実は両親はきつねにおいかけられたまま行方知れずだったという筋書きの緊張感が、結末の幸福感を倍増してくれます。作者の松野正子さんは、子どもの緊張感と幸福感を本当によくご存知ですね。
でも、何といっても我が家の人気ナンバーワンのクリスマスの本は「サンタ・クロースからの手紙」でした。地味で小さな文字がぎっしり詰まっているせいか、図書館ではあまり読まれていません。こんなに上質のユーモアと幸福感(もちろんファンタジーも)にあふれているのに、なんてもったいないとクリスマスのたびに思います。作者はあの指輪物語(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作)のトールキンです。きっちり構築された世界でサンタクロースや北極熊やゴブリンが大活劇を演じます。ここに登場するどじな北極...